忘備録

行った舞台の感想を書いたり書かなかったりする。正直1割くらいしか…なので今年こそ頑張りたい。

2018.8.15 「八王子ゾンビーズ」 赤坂ACTシアター

 

 2018.8.15 「八王子ゾンビーズ」 赤坂ACTシアター

 

合間に別件の現場に行ったりしつつ、ようやく感想にとりかかる。

ほんとは他の舞台の感想も書きたいんだけどなかなかね。

 

さて、今回の会場は久々赤坂ACT。

いつぶりだろう?BLITZのほうは定期的に行くんだけども、ACTはなんだかんだMOONSAGA以来かな…?

本当に長らく来ていなかった会場でした。

 

ゾンビは、情報が公開された時点で絶対行くって気持ちだった。

わたしはダンスが好きだし、LDHネルケが自信をもって送り出す俳優!みたいなこのキャストでやったらどんなものができるんだろう?!って興味があったから。

でも、その時点では脚本のことを見落としてたんだよね。後日気づいた。

若干の不安を感じてるうちに応援上映という単語を聞いて、もはや???状態のまま開幕数日前に 

ん、タンバリン? なるほどわからん

 

わからないままの当日。

とりあえず義務感からちゃんと気合入れて物販開始前にいった。えらくない??

パンフやらなにやら買いました。帰りとその後を考えて、タンバリンは買わなかった。

少しの反抗心からかもしれない。

でも、列の様子を見て物販を早めに開けてくれたのは正直ちょっと好感度上がった。

 

久々のACT。一階席、だいたいどこからでも見やすいよね。

 

肝心の舞台感想はというと、基本的にはすごくわかりやすい感じ。

決して全く楽しめなかったわけじゃないんだけど、正直やっぱりなという感じではあったかな。

 

前説…注意喚起のような応援上映の説明があったおかげか、心配してたようなことは基本的にあんまりなかった。

いや、目の前のひとが、流石に舞台始まったらかけるだろうと思ってた眼鏡を頭の上に乗せたまま(いわゆるサングラス状態)だったのは驚いたけどね?(その後できるだけ邪魔にならないタイミングをみて一言お願いさせてもらいました)

 

主人公の羽吹と、ゾンビたちの交流は全体的に青春感があった。

成仏シーンとか、すごくAngel Beats!!感ありませんでした?

わたしはAB!!がめちゃくちゃ好きなので、お決まりの展開だったとしてもあそこは好きでした。

個性の強いゾンビたちもかわいい。わいわいしてる。

俳優さんのお顔がみんなとにかくいいので、ゾンビが集ってるだけでサンキュー!って感じはあった。

メイク好き。すごい好き。この世にありがとうって感じ。

髪型、みんな最初のほうが全体的に爆発してたよね。爆発気味のほうがお茶目で好きでした。笑

パンフとか事前撮影の時にはみんな全然違うのがちょっと惜しい。

 

個人的に印象的だったシーン

 

まずはあれです

>>>突然のラップバトル<<<

翼と羽吹のラップバトルは正直めちゃくちゃ笑った。

翼、ラップバトルっょぃ。

「きみも男ならラップできるだろう?」のあの超理不尽世界でも絶対生きていける。

八王子ディビジョン。イェア。

でも羽吹はきっと生きていけないと思う。

 

もうひとつ。

ダンス練習の時に、羽吹と翼の通せんぼみたいな追いかけっこみたいな、毎回してるシーン。ああしてたら相手がゾンビだって忘れちゃいそうだよね。

こうやって羽吹とゾンビたちは仲良くなっていくんだなーって思った。

それにしても翼の驚異の身体能力に笑うけど。

いや、「わりと体が動くほうだぜ!」って嘘でしょ?!?! わりととかそういう次元じゃなかったね???

 

あと外せないのが早乙女友貴さんの袈裟での殺陣。

一刃、ビジュアルも満点、殺陣も満点。あの殺陣をみただけで5000円分くらいの価値はあった。

早乙女太一さんも好きだから、わたしは早乙女の血に弱い。

 

ただ、一刃、せっかくビジュアルから演技から最高なのに、なんでそんな狂った人斬りみたいになってるのかがさっぱりわからない。

羽吹との対決後の彼を見る感じ、彼の中にも信念や美学みたいなものはあって、そのうえで行動してると思うんだけど、あの脚本ではそれが全く明かされなかった。正直もったいないの一言に尽きると思う。殺人鬼以外の何者にもなれていない。

 

ゾンビ、キャラクターが全体的にそんな感じなんだよね。

持っていきたい展開のために、とってつけられたキャラクター。押し付けられた役割。物語を動かすためだけに存在する装置。

当然、そこに深みなんてものは生まれるわけがなくて、だからどこか薄っぺらい話に感じてしまうんだと思う。

あ、唯一楓まわりの演出は面白かったかな。羽吹さん、よく見ると楓のことたしかにガン無視してるんだよね。そこの伏線はちゃんとあった。

 

 

個人的に不可解シーンはとりあえずまぁいっぱいある…

 

まずは謎の新喜劇感。

わたしは~新喜劇を観に来たわけじゃないんですよ~!!!

そこを脚本はよくわかってほしい

舞台って逃げられないじゃん?たとえ自分が苦手だなと思っても逃げられないの。つらくない?

わたしはずっと大声をだしているようなギャグシーンがあまり得意じゃないので、余計そう思ってしまう。面白ければまぁいいんだけど、面白くもない自己満足のギャグをずっと見せられる苦痛。

以前お友達とも話したことがあるんだけど、制作側の体感時間と客席側の体感時間は違うと思うんだよね。

これはゾンビに限ったことではないんだけど、そのへんわかっていただきたいなと思う舞台は正直ちょいちょいあります。

 

ゾンビはギャグが時事ネタ多くて、何とも言えない気分になった。

時事ネタは円盤化に耐えられないんですよ。

たとえウケていても、それはその時、その瞬間に面白いだけ。時事ネタで笑いを取る作品を私は面白いとは思えないかな。出てきた瞬間にふと冷めてしまう。まぁ題材にもよるんだけど、舞台の世界観を感じにいっているわけなのに、なぜそこで現実をいやというほど感じなければいけないのか…

 

そしてゾンビは時事ネタのチョイスがよりによって最悪なんですよね。

マジ卍~とかは別にいいよ?誰も傷つかないし。

でも、某スポーツのあの会見をネタにする神経は本気で疑う。信じられない。

好感度上がったじゃん、みたいなセリフもあって本当に意味が分からない。

人として最低の行為だと思う。しかも、俳優がそのシーンを演じさせられている。最低。最悪。信じられない。それ以外に言葉が出ない。

ここだけは正直腸煮えくり返りましたね。あれは許してはいけない。

あれがギャグとして許される世界も面白いと思ってる人もみんな狂ってる。

エンターテイメントが人を傷つけてどうする?

 

 

他にも一番最初、翼が海さんにゾンビの世界へようこそって言ったあとに、人間であったことが発覚→瀧とわちゃわちゃしたときに手をなすりつけるようにした?お互いになすりつけあってた?気がするのが個人的に気になってダメ。実際はわちゃわちゃしてただけでそう思ったのは気のせいだと思いた~い!!

 

 全体的に海さんをゾンビだとおちょくったり、ブラジャーが出てきたり、なんかもう脚本家のリテラシーの低さが透けて見える感じが嫌でした。

 だってさ、客層が若い女子が中心になるのはどう考えてもキャスト的にわかることじゃないですか。その辺全く意識してないよね。

顔の良いとされる俳優たちが海さんをゾンビと間違う。海さんのブラジャーをネタにする。それを見せられる絶望感があなたにわかりますか?

わからないだろうなぁ。だってそれが面白いと思ってるんだもん。

 

あと、安易な泣きに走りがちなのが気になったというか。

楓と母のシーン、あれ泣けますか?

あの母は己の夢を息子に押し付けて、息子がストレスでつぶれそうになっているのにも気づかず、あまつさえ不倫までして家に帰らなかった母親ですよ?

そして息子が死んだあとは、なぜか一転して八王子ゾンビーズのせいだと決めつけて、死ぬ原因を作って、ゾンビーズが死んだ後もなお痛めつけ続けてる。

そんな母が泣いてごめんねって言ったところでなんとも思わないというか…だって大体全部あなたのせいじゃないですか。産んでくれたのにごめんねって……子供は親に何をされても許さなくちゃいけないの?むしろ自分が産んだ子供に対して夢を押し付けるだけ押し付けて、責任も持たずに不倫した不誠実な母親を責めるべきでは?

楓が特別優しい子で、だからああに思ったのかもしれないけれど、あまりにも都合の良すぎる母親でまったくもって泣けませんでした。絆なんてどこにもない。

 

そして何よりも、ダンスを謳ってるくせにダンスシーンめちゃくちゃ少ないのは気のせい??

あのめちゃくちゃ長いアドリブシーンや新喜劇シーン削ればもっとまともに練習もできたしダンスシーン入れられたのでは?

こっちはさほど練習してる姿を見てもないので、こんなんで踊れるようになるの?って感じだし、ダンス要素があるっていうから、ああ推が人質に取られたなと思いながらも行ったんですよ!!それが!!あんまり!!踊らない!!!!!こんなん暴動起こすわ。

やけに動きがいいゾンビは踊りはしないでもまぁ動いてたので置いといて、丘山さんとかいるのにもったいなくないですか?!?!

快斗、キャラとしてもすごく好きだし、最初にあまり踊りが得意じゃないって言っていたのですごく上達するようなエピソードがあって花開くのかと思っていたら本当に何もなかった。

ダンスがテーマで、丘山さんをキャスティングしておいて…それ……?と思いました。めちゃくちゃ楽しみにしてたのに…予想外だよ……

 

最後に言いたいのは!!!本作一番の注目応援上映!!!!!!

目論見としてはまぁ何がやりたかったのかなんとなくわかるんだけど、あれは失敗では…?

いやあれで楽しかった方たちはそれはそれでいいんですけど、個人的にはめちゃくちゃつらかったです。

如来応援上映タイム。ゾンビたちの声や歌に被さってなるタンバリン。おかげで歌詞がいまいち聞き取れない。

会場ほぼど真ん中という位置でこれだったので、構造的に後方はもっと聞き取りづらかったのでは…?

 

ゾンビのセリフに被った形のメンバーコールも最悪でしたね。複数人で発したメンバーを呼ぶ可愛い声にかき消される、彼女たちの推しのセリフ。(聞こえた位置同じようだったし数人でタイミング合わせてたのかな)

あなたたちは何しにここにいるの…?推しの台詞を邪魔してまで叫びたいの?推しに認知でもされるために来ているの…?と思いました。メンバーの名前呼ぶときはせめて台詞に被せないとか、その辺は言われなくても暗黙の了解というか常識というか良識というかなんというか。

うるせぇー!!!お前らのコールに金払ってるんじゃねー!!口にあんぱん詰めるぞ!!!!!!!!

いや叫びたいならメンコできるライブでもなんでも行ってほしいほんとに。ライブならデスボでお相手しますよ。

 

タンバリンはたまにシャン…と会場のどこからともなく関係ない時になるのが気になる。物的にもう仕方ないけど。

応援上映時は膝の上で叩いてくれればまだいいんですが、後ろの方たちは手に持っていたのか、両耳元で鳴るシャンシャンシャンシャンシャンの音。

私はあまり大きい音が得意ではないので、一言で言って死にそうでした。

応援上映タイム、とにかくひたすら耳元でシャンシャンシャンシャンシャン いやこんなん気が狂うわ!!

いやな予感がして事前に頭痛薬を飲んでいて本当によかった。じゃなかったらたぶん途中リタイアしてたしあまりの頭痛と吐き気で家に帰れなかったと思う。

観劇後、薬を飲んでなお頭痛の種火的なものの存在は感じました。

 

不満点はいっぱいあるけど、ざっと書いてこんな感じ。

私、観劇は受動的な行為にみえて、ある意味であちら側とこちら側のキャッチボールだと思うんですよ。あちら側は作品にメッセージや想いを込め、こちら側はそれを受け取って心を動かす。

八王子ゾンビーズではそれがまったくもって成立していない。そういう意味では本当に独りよがりな脚本だったと思います。節々で馬鹿にされているようにしか感じられなかった。

ただただ、あちら側のこれは面白いだろう!!というものを押し付けられる不快感。

ただ趣味が、好みが違かったとかならそれはそれでいいんだけど、笑いを取るネタとかが本当にそれ以前の問題。

少なくとも、鈴木おさむさんに舞台の脚本は向いていないと思います。申し訳ないけど。

ネルケちゃんも舞台いろいろやって若手俳優いっぱい起用してるんだから客層とかその客層の好みとかわかってるでしょ?ほんとうにどうしてこうなったのか。

 

もう一度言うと、まったく面白くなかったわけでは決してないんです。

俳優たちは頑張っていたし、目を見張るところや、笑えるところ、心を動かされるところもあった。

でもそれは脚本の力ではなくて、脚本はどちらかというと彼らの足を引っ張っていた感じすらある。

 

 

会場で5000円、ステージセットで5000円、キャスティングで5000円、羽吹とゾンビたちのかわいさで5000円、ヘアメで5000円、袈裟の殺陣で5000円、脚本で

マイナス30000円みたいな舞台。

 

ブロマイドはまぁ置いといても、悩んだ末にビジュアルが神だったのでパンフまで買ってしまったのがなんか釈然としないし悔しいです。

 

ゾンビたちよ、 来世は違う脚本で逢おう!!

ほんとうにほんとうにヘアメは神だったし羽吹とゾンビはかわいかったので、彼らはまたみたい。

羽吹にはこれから彼らと過ごした時間を胸に、精いっぱい楽しく輝いて生きてほしい。

そしていつか向こうでゾンビたちと再会しておもいっきりまた遊んで踊ってほしいなと思います。

 

 

おしまい。