2017.11.17 「竜馬を殺す」 恵比寿エコー劇場
2017.11.17 恵比寿エコー劇場
『竜馬を殺す』 初演
時代劇モノ、しかも幕末の頃のお話ということで、新撰組にも坂本龍馬にも詳しくなく、それこそ中高の歴史の勉強くらいしか覚えてない自分が行くのは少し不安だったんですが、すごく楽しかったです。
幕末という変動の時代、時代の変換点を生きた彼らの話なんだけど、一人ひとりがしっかりと丁寧に描かれてるから、感情移入もしやすくて。
わたし、幕末の時代の話ってあんまり得意じゃないんです。
昔から日本史は好きだったけど、幕末ころだけが何故か覚えにくくて…
そのせいで、世間では人気の新選組と距離を置いてきたんですよね 笑
あとわたしが幕末あたり得意じゃないのにはもう一つ理由があって、だいぶ昔、幕末が苦手なのを克服しようと幕末舞台のモバイル乙女ゲーやってたことがあるんです
それが先鋭的なシステムで、すごい土方さんとつきあう気満々で土方さん攻略してたのに、
突如どこの馬の骨だかわからん男(沖田さんです)とくっつかれたんだよね?!?!
選択肢によって乙女ゲーにもBLゲーにもなるってゲームだったみたいで、わたしは選択肢を見事にミスっていたらしく。その後龍馬を攻略しようとした時もホモられ…
これがめちゃめちゃトラウマで個人的に幕末とは遺恨が深いのでした 笑
とにかく、年数が経ってしまったいまはもはや新撰組の名前もかろうじて有名な方が何人か言えるくらいってレベルで。
だから、大地くんが出ると聞いてチケット反射で取っちゃったけどすごく不安で、新選組が好きな友人にアドバイスもらったり色々して 笑
本とかも読んで、ちょっとだけ頭に幕末の時代について知識を入れてから行きました。
ちょうど二日前くらいに坂本龍馬や大政奉還についての番組がやっていたのもありがたかったですね。
そのあたりの感想としては、確かに少しくらい知識があったほうが見やすいかなって思いました。
登場人物が結構多い上に台詞も掛け合いも早いので、頭を整理しつつスムーズに観るためには、新撰組の名前程度はある程度把握していきたい感じ。
でも、わからなくても、キャラが立っているうえに丁寧に作られているので、観ながら覚えられちゃうと思います。
彼らの心が揺れ動く過程が丁寧かつ細やかに描かれていて、本当に、色々なところに感情移入できる舞台でした。
公演がはじまりまず思うこと。登場人物、みんな目が強い!
意志の強さを感じる目。
特に犬養と竜馬。
射貫くような目と、未来を見据える目。
犬養役の三浦さんと、竜馬役の瀬崎さん。
独特の雰囲気がある役者さんだなと思いました。
(でも公演後にお姿ちらっと拝見したときは和やかでした…笑)
和やかなシーンのときはほんとうにこちらまで和みます。
序盤の道場のシーンはこちらも和むし各々の人柄のわかる良いシーンですよね。(おにぎりのくだりとても好きです)
だからこそ、道場で過ごした日々、新選組の発足から拡大、そして終焉まで。
その流れが、とてもつらかった。
だっ、山南さんの気持ちも、土方さんの気持ちも、わかるんです。
でも、もう誰にもどうすることもできない。
あの瞬間の新撰組の人々の空気を身を持って感じました。
わたしは、あの場に、立ち会った。
これが舞台の醍醐味だな、と。
「竜馬を殺す」では犬養が主人公だけど、他の登場人物も決して端役というわけではなく。
すべてが「犬養亨」という「人間」を構成するのに必要で、そのすべての出会いに意味があり、それぞれの想いが、人生があった。
誰一人、欠けてはいけないんです。
この話のテーマには、「出会い」と「別れ」があると思うんだけど、
ストーリー上のすべての出会いと別れに意味があって、それを確実に犬養が取り入れて「人間」になっていくのが観ていてわかるんです。
喋りも、表情も、動きも。どんどん、人間らしくなっていく。
演技が自然と変化していく過程が好きでした。
あぁ、生きる、生きているってこういうことだなって。
あと、別れがただの別れではなく、実在した人物も、オリジナルキャストも、何かしらを残して亡くなっていく、もしくは彼らのその後の人生を想像させる別れ方だったのが印象的でした。
近藤との別れ、清水との別れ(決別)、土方との別れ、又兵衛の別れ、加代との別れ、竜馬との別れ。
どれも忘れられません。
トモダチのシーン、好きだったな。
命乞い、その場しのぎで始まった関係かもしれないけど、たしかに二人はトモダチで、かけがえのない存在だったんだなって感じました。
それと、殺陣についてなんですが。
わたし、殺陣がすごく好きで。殺陣がある舞台ときいていて、それが楽しみの一つでした。
殺陣の迫力、本当にすごかったです…!
実は、最前列どセンターというなかなかないような位置で観ていたんですが、もう、すごく風を切る音がする。むしろ、風が来る。
殺陣は殺陣でも、いろんな種類の殺陣があった気がします。
魅せるためのきれいな殺陣というより、本当の斬り合いって感じでとても良かった。
戦い方にその人物ごとの剣筋とか、個性が出てるのも良かったな。
喧嘩!な土方さんの殺陣は、肘が入ったり、足を使ったり、身体ごとぶつかりにいったり、冒頭に言っていたように脛を斬ったり…、いろいろなアクションがあって特に面白かった。見応えありました。
犬養の構えの姿勢の低さも特徴ですよね。
序盤と、己の弱さを受け入れたあとの構えが似ているのがたまらないです。
しかし皆さん本当に殺陣の上手なこと………!
剣筋もいいですが、足元の踏み込み方とか見るのも楽しかったです。
とにかくいい舞台でした!本当にそれしか言えない。行ってよかった〜。
登場するキャラクターみんな大好きになりました。
こんなことを言うのは脚本に対する愚弄になってしまうかもしれないのですが(改変することになってしまうので)
この世界観で乙女ゲー出してほしいと思いました…笑
いや、実際入る隙間なんてどこにもないし、そのままの世界を愛しているのですが!
それくらい「竜馬を殺す」の世界観に浸りきったということで…笑
「竜馬を殺す」をきっかけに幕末と新撰組も好きになれたので、なにか新しく触れてみようかな?
しかし、こんなにブロマイドあったら全員買いますって思った舞台、はじめてでした。
せめてパンフレットとかほしかったな~。代わりにフライヤー飾ります。
DVD楽しみです。絶対買います。
本当にみんなすごく楽しそうに、そして、大切に演じているのが伝わってきた舞台だったなと思います。
「竜馬を殺す」を作り上げてくださった演者さん、スタッフさん、劇団関係者の方々に感謝を。
素敵な舞台をありがとうございました!
実はもっとひとりひとりについてとかいろいろ書いていたんですが、本日はこのあたりにしておきます…!
とりあえず今日中(日付は過ぎちゃったけど)に書けてよかった!
千秋楽にまた観られるのが楽しみです!!